シュワ(schwa)母音が英語発音攻略の決め手だがその習得法とは!
英語の発音で重要となるシュワ(schwa)をご存じでしょうか
eを逆さまにしたような形の「ə」は発音記号のひとつで、
「schwa sound (シュワサウンド)」という名前がついています。
日本では「シュワ」あるいは「シュワー」と呼ばれている曖昧母音です。
発音記号として表記する場合は、IPA (国際音声記号)の表記方法に従って、
/ə/または[ə]です。
そんな「ə音」は、英語の学ぶ日本人にとって分かりにくい音で
この発音の攻略が英語ヒアリング攻略の決め手のひとつです。
シュワ(schwa)とは
日本語は、どちらかというとすべての母音を「同じ大きさで」
「はっきり」と発音する言葉です。それに比べて英語は、
アクセントの強弱が非常に重要なポイントを占めています。
英語では、強い部分は大きく長く発音し、アクセントの弱い部分は
「弱く」「短く」、あいまいに発音するという傾向があります。
英語では重要な意味を持つ部分のみを強くしっかり発音するのに対し、
そうではない部分は弱くあいまいに発音するわけですね。
そしてこの「弱く」「短く」、あいまいに発音する時の母音が
「シュワ」の音となります。
シュワ(Schwa)の発音の仕方
ではシュワはどうやって発音するのでしょう。
シュワ(Schwa)とは発音記号で/ə/と表示される音です。
ちょうどアルファベットの「e」を反対にしたような形をしています。
イタリック文字で斜体の「ə」と表記されたり、かっこつきで(ə)と
表示されることがあります。()付きの場合は、人によっては発音を
省略されることもあります。あいまい母音と呼ばれ、
その名の通り、とてもあいまいに発音されたり弱く発音される音です。
その音の出し方としては、
1.口を軽くほんのりと開けて、力を入れずリラックスさせる
2.喉のあたりから音を一瞬だけ弱く漏らす
シュワ(schwa)の攻略法は
短い母音にあたるため、口腔内の力を抜いてぼんやり「ア」
と発声するイメージです。「ア」と「エ」の中間のような
音とも言われています。
そのシュワは以下の単語に
含まれています。
不定冠詞のa – ə
about – əbout
amount – əmount
thousand – thousənd
item – itəm
enemy – enəmy
even- evən
woman – womən
after – aftə
family – faməly
easily – easəly
cousin – cousən
problem – probləm
every – evəry
American – əmericən
hospital – hospitəl
understand – undəstand
freedom – freedəm
reason – reasən
dinosaur – dinəsaur
of (əv) アブ
woman (wúmən) ウームン
banana (bənǽnə) ブナァヌ
problem (prɑ́bləm) プラァーブルム
about (əbáut) アバウッ
breakfast(brékfəst) ブレェクフスッ
これは極々一例で、他にも数え切れないくらいの単語の中に
シュワーは潜んでいます。
どの単語に関しても、アクセントのない母音がシュワ(ə)になっているのが
わかります。「banana」などはアクセントのない最初の「バ」の
部分と最後の「ナ」の部分の両方ともがあいまい母音のシュワとなって、
「bənǽnə(ブナァヌ)」のような音になります。
また、すでに日本語にもなっている「pilpt(パイロット)」のような単語は、
アクセントのない「lot」の部分をシュワで発音して「páilət(パイルゥ)」
というように発音することで、一気にネイティブらしい発音となります。
同じく不定冠詞の an も ən です。
これだけシュワーはよく出てくるのに、それを知らないとなると、
ほとんどの英語の発音を間違えているということになります。
日本にはローマ字というものがあって、英語と同じアルファベットを
使っています。
英語の発音とローマ字読みは違うことが多いので、気をつけなければなりません。
シュワーはアクセント(ストレス)のない母音に登場します。
例えば「April(4月)」という英単語で考えてみましょう。
「April」は、発音記号で表すと「éiprəl」となりますが、最初のAに
アクセントが来て、「éi(エイ)」と強く発音されますが
一方、その後ろの「ril」の部分はアクセントがなく、弱く発音される
母音を含みます。こういった部分に、/rəl/というようなシュワの音が含まれます。
その際、/rəl/は「リル」というように「イ」の音をはっきり発音するのではなく、
かすかに喉の奥から音が漏れ出るように、短く曖昧にしか発音しません。
カタカナであえて書くと「エイプルゥ」のようになります。
シュワの含んだ例文
Tex-Mex restaurant Chipotle has increased the prices of its menu items
by about 4% to cover the cost of raising its employees’ pay.
わかりやすく例えば「by about 4% to cover」の「to」の単語に
注目してみましょう。音を聞いてみると、「to」は「トゥー(túː)」ではなく、
「タ(tə)」と発音されています。
私達が「to」という単語を習った時、その発音は「トゥー」だったはずですが、
実際にはネイティブはほとんどの場面で「タ」と発音します。
「to」が「タ」と発音されるという事実を知らない限り、リスニングで「to」が
聞き取れるはずがないです。
機能語はシュワ化することがほとんど
機能語というのは、文章の中で重要な内容を持たない品詞です。
例えば「a」「the」などの冠詞や、「and」や「but」などの接続詞、
「to」「at」などの前置詞、また「you」や「them」などの代名詞や、
「are」「was」などの「be動詞」なども機能語に当たります。
文章内で機能的に働くだけの品詞で、特に重要な情報を持たない単語のことです。
一方、需要な情報を持つ品詞のことを内容語といい、動詞や名詞などが
それにあたります。
こうした機能語は、文章の中では、多くの場合アクセントが置かれず、
短く弱く発音されがちです。そのため、こうした機能語の中の母音も
シュワ化することがほとんどです。
例えば
a (ə)
the (ðə)
and (ən)
but (bət)
to (tə)
at (ət)
you (jə)
them (ðəm)
are (ər)
was (wəz)
ですので、たとえば「to」はこれ単体で発音すると「トゥー」と
言いたくなりますが、文章の中ではほとんどの場合あいまいに発音され、
「タ」とだけ、弱く軽く発音されることになります。
まとめ
日本語はすべての母音をしっかりと発音するのに比べ、英語はアクセント以外の
部分を弱く短く発音します。シュワはまさにそのあいまいさの中心にいる母音です。
その存在を認識すれば、発音もヒアリングも苦手意識がなくなると
思います。是非活かしていただければと思います。